今日はとあるアーティストについての話をします。先日のエントリで1楽曲だけ取り上げた、フロクロ(Frog96)さんです。
音楽制作者としての自分、ソフトウェアエンジニアとしての自分、両方の目線で強く惹かれるところがあったので、ぜひ紹介させてください。
楽曲紹介
映像も素晴らしくて、楽曲というより作品と言った方が良いのかもしれない……
ロスト・デリュージョン
ディスプレイスメントマップを利用した MV が見ていて気持ちが良いというか中毒性があります。メディアアート。
空を満たして
サビの、かすかに聞こえるハット以外はほぼフィルインだけで構成されたドラムフレーズ(たぶん名称があるんだろうけど分からない)をはじめとして、全体的に緊張感を覚えるサウンドです。 ラスサビ直後の映像演出が最高にゾクゾクして好きです。
黒塗り世界宛て書簡
リズミカルにビープ音が鳴っているのが印象的ですが、調の主音とビープ音が同じ高さなので、調和していて鬱陶しくない感じがあります。そして何より歌詞とビープ音に隠されたギミックがすごい。
input と output がすごい
フロクロさんはScrapbox に制作物のメイキングや有益情報などをまとめています。これが本当に興味深いのです。
フロクロさんの作品の特徴として、作詞、作曲、MVの制作すべて一人で担当されているという点があります。それぞれどういった手法で作ったのかが事細かに公開されていて、勉強になります。
例えば、先ほど紹介した「ロスト・デリュージョン」の音楽メイキング記事では、インスピレーションを受けた楽曲やコード進行、使用しているVSTプラグインまで動画つきで丁寧に説明されています。自分が感覚的に好きだと思った作品が、どのよう過程で、どんな要素を用いて構成されたのかを知ることができるのは面白いというほかありません。
これら様々な記事を読んで、 output と input の質は互いに関係があるということを改めて実感しました。音楽にしても映像にしてもその他にしても、思考が圧倒的な知識に裏付けられているように感じられます。
僕は仕事として、コードやその設計思想を Pull Request という形で表現したり、エンジニアリングに関する学びを他者に共有したりしています。そして、それらアウトプットの質・量が自分の働きぶりを評価する指標の一つとなっています。
分野は違えど、ソフトウェアエンジニアとして生きていく上でフロクロさんの姿勢が手本になると思いました。僕も、自分の思考をもっと言語化していきたいし、良い思考をするために自分の知識の幅を広げていきたいです。そして、同じような人が同僚にもいるなあ。
まとめ
色々小難しいことを語りましたが、言いたいことはこれだけ。良いアーティストだから聞いてくれ!!!!!