Diary of a Perpetual Student

Perpetual Student: A person who remains at university far beyond the normal period

Lambda 新機能の Telemetry API を利用した mackerel-lambda-extension-agent 試作

この記事は Mackerel Advent Calendar 2022 16日目の記事です。


こんにちは、id:arthur-1 です。2022年にはてなに新卒入社して、Mackerel 開発チームのアプリケーションエンジニアをやっています。また、今年の Mackerel Advent Calendar の運営を担当しております。よろしくお願いします。

先日、Mackerel チームで「Mackerel アゲアゲ合宿」を開催しました。これは旧来「開発合宿」と称して行ってきたもので、「Mackerel の未来に繋がることを誰かと一緒にやること」をコンセプトとして、5つのチームに分かれて3日間集中して開発やワークに取り組みました。

こちらの運営も担当させていただいたのですが、詳しい運営話は別の機会にさせていただくかもしれません。運営として、「合宿の成果を Advent Calendar にアウトプットしましょう」と Mackerel スタッフに声掛けしているのですが、まずは自分からやらねば、という気持ちでこのエントリを書いています。

今回は、id:arthur-1 のチームで取り組んだ「Lambda Telemetry API を利用した mackerel-lambda-extension-agent 試作」プロジェクトについてご紹介します。

Lambda Telemetry API

AWS の年次イベント re:Invent2022 が開催される少し前に、 Lambda Telemetry API が発表されました。

aws.amazon.com

もともとは Logs API というものが用意されていました。Lambda 関数に extension を登録し、そこから API を subscribe すると、プラットフォームに関する情報や関数が吐き出したログを取得できる、というものです。これを外部に送信することで、実行環境ごと区別した監視が実現可能になります。

Telemetry API はこの Logs API の進化系という立ち位置になっています。API がログの塊を extension 上のサーバに POST していく仕組みはLog API と同じです。OpenTelemetry と情報的な互換がある形でログに span と trace の id がついていたり、実行環境のライフサイクルに関する情報が増えていたりしています。

Telemetry API に関する詳しい説明は、ドキュメントや他の記事に譲ります。

docs.aws.amazon.com

dev.classmethod.jp

mackerel-lambda-extension-agent

Telemetry API を利用して Mackerel でより詳細な Lambda の監視ができるようにと、合宿の3日間 で mackerel-lambda-extension-agent を試作しました。

github.com

Mackerel の AWS インテグレーションで取得できる Lambda のメトリックは関数単位のものでした。しかし、この agent を利用することで、各実行環境ごと Mackerel のホストとして登録し、Telemetry API で取得できるメトリックを投稿することができます。

自動退役にも対応していて、実行環境がシャットダウンされるとき、Mackerel 上のホストを退役させる API リクエストを投げるようにしています。

設定方法は、監視したい Lambda 関数のレイヤーとしてこの mackerel-lambda-extension-agent を追加し、関数本体に環境変数を指定するだけです。このアプリケーションは Go で開発されていますが、Go 以外のランタイムの関数に対しても適用できます。リポジトリの README.md に terraform での設定例を記載しているのでご確認ください。

試しに、Mackerel の staging 環境のシステムで使われている Lambda 関数(ランタイムは Node.js)の extension として、mackerel-lambda-extension-agent を設定してみました。

指定したロールに複数の実行環境がホストとして登録されている様子

Telemetry API の report から取得した Done Duration のグラフ

仕組み解説

まず、以下のような手順で Telemetry API を subscribe します

  1. Extension API にリクエストを投げ、Lambda レイヤーを extension として登録する
  2. Telemetry API からのレスポンスを受ける HTTP サーバを extension 上に立ち上げる
  3. Telemetry API に HTTP サーバの URL を教えるリクエストを投げ、購読する
  4. Telemetry API からサーバにログの塊が次々と送られてくる

subscribe が終わったら、 Mackerel API にリクエストを投げ、ホストとしての登録やグラフ定義の設定を行います。

Telemetry API から受け取ったログはキューに積まれています。1分ごとキューを flush し、それぞれのログの type を見て、メトリックにできるものがあれば集約して Mackerel に投げるようにしています。具体的には、"platform.initReport"、"platform.report"、"platform.runtimeDone" に含まれる内容からメトリックを取得しています。

また、定期的に Extension API にリクエストを送り、イベントを確認しています。ここでシャットダウンのイベントが来たら、1分経過を待たずにキューを flush して最後のメトリックを送り、その後 Mackerel 上に作ったホストを退役させます。

難しかったところ

難しかったのは、extension 上で行っているメトリック集計の部分です。

Mackerel のメトリックは一番細かいもので 1分粒度なので、Telemetry API のレポートから得たメトリックは 1 分ごと平均/合計演算などでロールアップしてから Mackerel に送る必要があります。

しかし、1回の実行時間が短い Lambda 関数に対してこの agent を適用すると、1分待っている間に実行環境がスリープしてしまい、次に関数が invoke されるまでメトリック送信が遅延してしまうという問題があります。

また、Lambda 関数のタイムアウト時間を短く設定すると、extension もその時間でタイムアウトしてしまうため、メトリックが収集できません。

きちんと観測したいなら、無理に直接 Mackerel に投稿せず、即時に他のサーバに送って集計させてから Mackerel に送る方が良さそうです。

まとめ

新機能の Lambda Telemetry API を用いて、Lambda の可観測性がアゲアゲしたのを体感することができました。クラウドシフトしていくと、大規模なストリームを Lambda でバサバサと処理していくアーキテクチャを選択することも多いでしょう。Lambda のモニタリングについて引き続き良いあり方を模索していきたいなと思いました。


qiita.com

prev: 15日目は id:wafuwafu13 さんの mackerel-agent configtest によるチェックの強化について でした

next: 17日目は Kidapan さんの Mackerelの新機能を振り返ってみた~2022年版~ です

オンライン遊びまとめ 2022

コロナ禍をいかがお過ごしでしょうか。僕はオンラインで通話しながら遊ぶ機会がとても増えました。

年の瀬も近づく中、感染者は増えつつあり、外出をやめてオンラインで遊ぼうという方もいるのではないでしょうか。

そんな皆さまのために、自称「オンライン遊びのプロ」が、オンライン遊びのあれこれをご紹介します。 今回は、ゲーム機が必要なく、アプリケーションのインストールもいらないブラウザで遊べるWebサービスのみを取り上げます。

(本記事は思い出し次第適宜更新します。ご了承ください。)

オンライン遊びサービス一覧

ピクトセンス

pictsense.com

  • おすすめ人数: 3~7人
  • 手軽さ: 軽め
  • ゲーム時間: 短め

親プレイヤーが辞書からランダムに選ばれたお題を絵で表現し、子プレイヤーは絵からお題を推測して当てる、というゲームです。

正解した場合、絵を描いた人と当てた人両方に、当てるまでの時間が短いほど多くの得点が入ります。親プレイヤーは、子プレイヤーに分かってもらえるような絵を描くことが大事ということです。

プリセットの辞書が難易度別に用意されているほか、ユーザー独自に辞書を作って登録したり、誰かが登録した辞書で遊ぶことができます。たとえば、ポケモンの辞書とか、国の辞書とかは遊びやすいですね。

ちなみに、id:arthur-1サイゼリヤのメニューを辞書にしましたが、友人からは「でぃあぼらふうそーすのせちきんぐりるとはんばーぐのもりあわせ、なんて分かるわけないだろ」と大変好評でした。

pictsense.com

Gartic Phone

garticphone.com

  • おすすめ人数: 5~7人
  • お手軽さ: 軽め
  • ゲーム時間: 短め

言葉と絵を交互に使う伝言ゲームです。ボードゲーマーには「テレストレーションのパクリ」と言うと完全に理解してもらえると思います。

ゲームの流れは以下の通りです:

  1. それぞれがお題となるキーワードを記入する
  2. 前のプレイヤーが書いたキーワードが自分の元に届く
  3. キーワードを表現するような絵を描いて次のプレイヤーに渡す
  4. 前のプレイヤーが描いた絵が自分の元に届く
  5. 絵から元のキーワードを推測して書き次のプレイヤーに渡す
  6. 以後、2~5 の繰り返し

こうして、(言葉)→(絵)→(言葉)→(絵)→... と一周分伝言ゲームしたあと、最初のお題からどれぐらい変わってしまったかをみんなで眺めて楽しむゲームです。

伝言ゲームの結果を gif アニメーションとしてダウンロードできるのもポイント高いです。 はてな社ではオンライン飲み会の議事録が Scrapbox に記録されがちですが、こうした思い出保存文化との相性が非常に良いですね。

ラウンジ Zoom しながらみんなで遊ぼう

loungegame.site

  • おすすめ人数: ゲームによる
  • お手軽さ: 軽め
  • ゲーム時間: 短め

いろんなゲームが遊べます。例えば、サイトトップで紹介されているものを中心に紹介すると、

  • 一致するまで終われまテン
    • 「カタカナ3文字の飲み物といえば?」のようなお題について、みんなの答えを一致させることを目指す
  • NGワード
    • インディアンポーカー的に各自NGワードが割り当てられている。会話の中でNGワードを使ってしまった人が負け
  • 早押しクイズ

といったゲームが遊べます。

基本的にバラエティ番組を意識した作りになっており、クイズ番組でパネルに回答を書く仕草が体験できます。

アプリケーションの出来が悪い面があり、存在しないドメインで共有リンクが発行されてしまう、勝手に切断されてしまう、などの不具合はありますが、遊べなくはないです。

コードネーム

codenames.game

  • おすすめ人数: 4人~
  • お手軽さ: 普通
  • ゲーム時間: 長め

コードネームというボードゲームが遊べるWebサイトです。

ルールを説明するには余白がなさすぎるので、他のエントリを読んでください。

boku-boardgame.net

個人的には間延びしがちなのであんまりおすすめしないですが、よく選択肢として挙がるので紹介しておきます。

ワンナイト人狼

oj.bakuretuken.com

  • おすすめ人数: 6~7人
  • お手軽さ: 普通
  • ゲーム時間: 短め

ワンナイト人狼も有名なのでルールは他のエントリを参照してください。

bakuretuken.com

boardgamearena

ja.boardgamearena.com

  • おすすめ人数: ゲームによる
  • お手軽さ: ゲームによる
  • ゲーム時間: ゲームによる

ボードゲームが遊べる Web サービスとしては最大級のサイトです。このエントリで紹介してきた数々のサービスと異なり、遊ぶには各プレイヤー会員登録が必要です。

多くの人数で遊べ、ルールも簡単なボードゲームをいくつか挙げておきます:

  • コンセプト
    • お手軽さは普通。
    • ピクトセンスをベースに、絵を描くのではなく、色々なイラストが書かれた盤面にコマを配置することで表現していく
  • ジャストワン
    • お手軽
    • あるお題に対するヒントをみんなで出し、親に当ててもらう。ただし、出すヒントが誰かと被ってしまった場合、そのヒントは親に見せられない
    • 現在は日本語対応していないけど、多少英語がわかれば遊べるはず
  • ラマ
    • お手軽
    • 語弊はあるけどウノみたいなもんよ
  • ニムト
    • お手軽さは普通
    • 有名なボードゲーム。ルール説明はちょっと難しいけど、慣れたらサクサクできるのでおすすめ

QMAClone

kishibe.dyndns.tv

  • おすすめ人数: 2人~
  • お手軽さ: 手軽
  • ゲーム時間: 手軽

クイズマジックアカデミーというアーケードのクイズゲームを再現したWebサービスです。UI が分かりづらいところはありますが、アプリをインストールせずクイズで遊べるので楽しいです。

友達と遊ぶ時は「イベント対戦」を選び、適当なイベント名を設定して共有しましょう。

Webサービスはないけどチャットツールでできる遊び一覧

ウミガメのスープ(水平思考ゲーム)

  • おすすめ人数: 2人~
  • お手軽さ: 大変
  • ゲーム時間: 長め

dic.pixiv.net

ウミガメのスープを Discord のチャットを使って遊んでいます。

質問をチャットに書き、出題者が :o: :x: のリアクションを使って yes/no を答えていきます。

ちょっとトリッキーですが、量子ウミガメのスープも楽しかったので、合わせてご紹介します:

hikido.hatenablog.com

朝までそれ正解

  • おすすめ人数:6人~
  • お手軽さ: 簡単
  • ゲーム時間: 普通

有名なテレビ番組の一企画です。

「『ぶ』から始まる、女性の部屋にあるもの」*1のようなお題に対して、それぞれが正解と思うものを書いていきます。

Discord であらかじめ書いておき、自分の発表する番が来たら投稿するオペレーションでやっています。後で誰かのものを見て書くのを防ぎたい場合には、|| hoge || という spoiler 記法を使ってあらかじめ入力してもらい、発表する時に編集で || を消して保存する、という方法もあります。

お題が思いつかなければ、以下のような Webサービスに頼るのもアリです。ランダムにお題が表示されるので、良さそうなものが出るまで F5 で更新しましょう。

soreseikai.com

Ito

  • おすすめ人数: 4~8人
  • お手軽さ: 簡単
  • ゲーム時間: 普通

arclightgames.jp

自分の手札の数字を、数字そのものではなくお題で表現し、お互いの数字を見ずに小さい順に並び替える協力ゲームです。

例えば、お題が「子供に人気の食べ物」で、自分の手札の数字が 95 だったら(100 が最大)、「フライドポテトかなあ」といった具合です。

Web サービスはありませんが、TRPG ツールの ccfolia で、1から100のカードを用意して遊んでいます。

ccfolia.com

まとめ

オンラインで手軽に遊びたいがどのサービスが良さそうかわからない、オンライン飲み会がマンネリ化してきた、そんな方々へこのエントリが支えになれば嬉しいです。場に応じた適切なゲームを選択し(もちろん、オンライン遊びにせず会話をすることが最善の選択肢である可能性だってあるでしょう)、幹事力を抜群に発揮していきましょう。

*1:三村「ブロッコリーの鉢植え」

時間やネットワークトラフィックの単位が追加された Mackerel でネットのスピード監視

この記事は Mackerel Advent Calendar 2022 1日目の記事です。


こんにちは、id:arthur-1 です。2022年にはてなに新卒入社して、Mackerel 開発チームのアプリケーションエンジニアをやっています。また、今年の Mackerel Advent Calendar の運営を担当しております。よろしくお願いします。

今日は、そんな私が Mackerel チームに join して一番最初に実装し提供できた機能に関する話をします。

グラフ定義で選択できる単位を追加しました

mackerel.io

今年7月頭のリリースノートで紹介されていますが、グラフ定義で使える単位に、以下の3つを追加しました:

  • seconds [s]
  • milliseconds [ms]
  • bits/sec [bps]

単位を追加するのはパッと見簡単そうなのですが、実際には既存実装の仕組みの修正やリファクタなどが必要で、それなりにコードの差分がありました。このあたりの苦労話は社内で発表させていただきました。

さておき、時間の単位は分かりやすく便利ですね。各種クラウドインテグレーションで収集したメトリックで、単位が秒なのかミリ秒なのか分かりにくいものもありました。しかし、追加された単位をグラフ定義に設定することで、以下のように単位が分かりやすく表示されます。

(例)AWS Lambda の Duration メトリック

before
after

bps 単位は帯域幅などで用いられ、ネットワーク監視には欠かせないものですね。

ネットのスピード監視を Mackerel で!

ということで、今回は自宅のネットのスピードをメトリックとして Mackerel に投稿し、監視していこうと思います。

え?n番煎じでは?と思った方は、もしかすると過去の Mackerel Advent Calendar をちゃんと読んでいる方かもしれませんね。

c4se.hatenablog.com

大丈夫です。令和最新版なので単位が違います。

今回は Raspberry Pi 4 の cron でプログラムを定期実行し、以下の数量をサービスメトリックとして Mackerel に投稿することにしました:

できたもの

その結果できたグラフはこちらです:

グラフを見たときに値のラベルににきちんと単位がついているのは気持ちが良いですね。

普段は気になったときに Home Network カスタムダッシュボードを眺めています。移動平均を見ると、最近は下りがちょっと速くなっているな~とかトレンドが分かっておもしろいです。

実装

github.com

実装は Go 言語を利用しました。これを作った当時は Go はじめて、という状態だったので、あんまり洗練されたコードではないです。x86_64 の Windows でコーディングしていたものを Arm64 の Linux で動かすのでクロスコンパイル面倒だなあと思っていたのですが、そのあたり Go はとても簡単で、当時感動していたのを覚えています。

ロジックとしては、外部コマンドである Ookla のスピードテスト CLI を実行して、その結果を parse して Mackerel に投稿する、という流れになっています。

www.speedtest.net

go で書かれた speedtest-go というライブラリもあり、こちらを利用することも考えました。しかし、Raspberry Pi で動かすにはメモリの使い方が厳しく、upload の速度が安定しなかったので上記の方法を取りました。

github.com

そして、新たな単位が追加されたので、今回作ったアプリケーションでもそれに対応した書き方になっています!という紹介をしたかったのですが、残念ながら特記事項はありません。

このエントリ執筆当時の Mackerel にはサービスメトリックのグラフ定義生成を行う API が用意されていません。(ホストメトリックならある*1のに……) よって、bps や秒の単位に設定するのは Web コンソールからポチポチして行いました。API があればこのプログラムからグラフ定義を生成して単位を設定してあげられたのにな、と思います。

まとめ

Mackerel に新しい単位ができたのでぜひ使ってください!という宣伝でした。プラグインを自作している方や便利なライブラリを開発している方、bps, s, ms 単位に置き換えられるところがあればぜひご活用ください。


Mackerel の Advent Calendar まだまだ空きがあります。参加・閲覧どうぞよろしくお願いします!

qiita.com

prev: undefined

next: 2日目は id:stefafafan さんの Mackerelを振り返りやキャパシティプランニングのために毎月眺めている です

Advent Calendar を Mackerel で監視する 〜新卒の暮らし方を添えて〜

この記事ははてなエンジニア Advent Calendar 2022 1日目の記事です。


こんにちは、id:arthur-1 です。2022年に新卒入社して、Mackerel 開発チームのアプリケーションエンジニアをやっています。 arthur-1 という id に掛けて、トップバッターをいただきました。よろしくお願いします。

今日は Advent Calendar を Mackerel で監視している話をします。

Advent Calendar で何を監視したいのか

id:arthur-1 は、Mackerel Advent Calendar 2022 の運営をしています。こちらは、Mackerel ユーザーが TIPS やノウハウ、利用事例などを載せていく自由参加のカレンダーになっています。

Advent Calendar 企画の主催になると、どれだけの方が参加しているか、枠がパンパンになっていないか(あるいは、スカスカでないか)気になるものです。

Qiita の Advent Calendar であれば、以下のような指標をモニタリングしたいな、と思いました:

  • 寄稿数: カレンダーの埋まっている枠の数
  • 参加者数: 寄稿した人の数
  • 購読者数: 購読した Qiita ユーザの数

例えば、購読者数をグラフにすることで、「Twitter のある投稿により購読者数が激増した」などの事実が分かればマーケティングの参考になります。また、寄稿数が一定以下であるかの監視を設定することで、カレンダーの空き枠が残りわずかになったときにカレンダーを増やす、などのアクションを取ることができます。

Mackerel にメトリックを投稿する

Advent Calendar のページを定期的にスクレイピングして、Mackerel にサービスメトリックとして投稿する mackerel-adcal-counter を開発しました。

以下のように、グラフで Advent Calendar に関するメトリックを閲覧できます。

グラフアノテーションを使うと出来事を記録できて便利

infrastructure

AWS 上に構築しました。EventBridge Rules を用いて、定期的に Lambda を実行するようにしました。

構成図

application

Lambda のハンドラは Go 言語で作りました。Go は入社前は触ったことがなかったので、練習のために使ってみました。

github.com

スクレイピング周りで地獄のようなクエリが生まれているのが味わい深いのでぜひ読んでみてください。

工夫したポイントとしては、interface を用いて、Qiita 以外の Advent Calendar にも対応する余地を残したことです。Adventar のメトリックも収集できるようにしたかったら、具体的な実装を counter/adventar/counter.go に書く、というイメージです。

counter/counter.go

package counter

type CountResult struct {
    Entries      uint64
    Participants uint64
    Subscribers  uint64
}

type Counter interface {
    Count() (*CountResult, error)
}

counter/qiita/counter.go

package qiita

import "mackerel-adcal-counter/counter"

type Counter struct {
    url string
}

var _ counter.Counter = &Counter{}

func NewCounter(url string) *Counter {
    return &Counter{
        url: url,
    }
}

func (c *Counter) Count() (*counter.CountResult, error) {
    entriesCnt := uint64(0)
    participantsCnt := uint64(0)
    subscribersCnt := uint64(0)

    /* ここに Qiita へのスクレイピングの実装 */

    result := &counter.CountResult{
        Entries:      entriesCnt,
        Participants: participantsCnt,
        Subscribers:  subscribersCnt,
    }
    return result, nil
}

Mackerel でアラートを設定する

メトリック化できてしまえばあとは簡単です。思い思いに監視ルールを設定しましょう。

自分は、枠がいっぱいになったのに気づいてカレンダーのページを増やせるように、以下のような監視ルールを設定しました。

これで、Advent Calendar のモニタリングができました!

プロダクトに愛着を持って仕事をする

唐突ですが、せっかくなので、新卒っぽい話を少しだけします。

新卒入社して Mackerel チームに配属されるまで、 Mackerel というサービス自体に触れたことはありませんでした。チームに入ってからは、この記事のネタのようなちょっとしたことでも積極的に Mackerel を使ってみることにしています。

実際に使ってみて気づいた改善ポイントは、issue やアイデア帳という形で残したり、すぐ実装できるものであればその場で改修したりしています。

dogfooding を通じて、プロダクトに愛着を持ち、プロダクトの未来を描くことができていると実感しています。この取り組みは、仕事のモチベーション向上にも大きく寄与しています。

最後に

Advent Calendar のモニタリングを Mackerel でしたい人は、本エントリをぜひ参考にしてください。

また Mackerel の Advent Calendar も参加・閲覧どうぞよろしくお願いします!

qiita.com


prev: undefined

next: 2日目は id:pokutuna さんの Slack チャンネルのロボット帝国化を防ぐ feed-pruning-proxy です

最近聴いてる曲: Nov. 2022

prev:

blog.arthur1.dev

ÅMARA(大未来電脳) feat.HatsuneMiku+KAITO / sasakure.‌UK

www.youtube.com

主題のフレーズの使い方がとにかく良い。重ね合わせ方とか、4拍子から3拍子に変わって緊迫感が増しているところとか。

グランギニョル feat.初音ミク / Rulu

www.youtube.com

ボカコレ2022秋いろいろ聞いたけどこの曲が好き。サビの頭がオシャレすぎる。山を引き立たせるメロディーライン。

ドロシー (feat. 超学生) / 缶缶

www.youtube.com

超学生の声エロすぎるな。あとすりぃさんの短調の曲が全般好き。

Overdose / なとり

www.youtube.com

みんな聞いてるでしょ、説明不要。

あれは確か... / MC Taniguchi

www.youtube.com

違和感に気づけるか。分かるまで聞いていただきたいミステリーです。

赤秋 / HelloNewWorld

www.youtube.com

そもそも純粋な邦ロック的なものが流行らなくあるな、と。実家のような安心感があって聞いている。

品行崩壊 / FantasticYouth

www.youtube.com

ダンスの BGM に使ったら超イケイケな作品になりそう。

オトナブルー / 新しい学校のリーダーズ

www.youtube.com

SUZUKA の声が良すぎる。ネオ昭和歌謡

プレミアムワールド / 広瀬香美

www.youtube.com

本当に挑戦という感じでただただ尊敬している。人生毎日勉強なのだなあ。

(番外編) MAMAMOO/HIP feat.島田珠代 PANTY TEX REMIX / SMZM

感想

好きなものと、世間で流行っているものと、自分が生み出せるものに大きな乖離がある。

Agricola Anniversary Box 入手前レビュー

アグリコラデラックス版が10周年の節目に発売されるという話が出て久しい今日この頃、15周年になってついに「Agricola Anniversary Box」が発売されました。

lookout-spiele.de

アグリコラコレクターとして、また翻訳情報提供者として絶対に買わなくてはと思い、購入しました。ドイツから空輸で届くので、昨今の情勢を鑑みると到着に時間が掛かるかもしれません。

取り急ぎ、Agricola Anniversary Box について現在わかっている情報をもとに入手前レビューをします。

内容物

アグリコラ:リバイズドエディションの内容物を基本に、いくつかの付属品が増えている、というイメージです。

コンポーネント

リバイズドエディション付属品との大きな差異をまとめました:

  • スタートプレイヤーマーカーが鶏の形になった
  • プレイヤーコマの色が違う
  • 農場ボードのデザインが特別仕様
  • 物乞いは品物トークンの裏ではなくなり、専用トークンになった
  • 大きい進歩がカードではなくなり、ゲームボードと同じ素材の分厚いものになった
  • スペシャトークンが付属する
    • Xデッキの「モジャモジャの友人」や🌲デッキの「フェアリー」などが専用トークンとして用意される。地味に嬉しい
  • 四季拡張のボードが付属する

このうち、大きい進歩タイル化の影響はかなり大きいです。id:arthur-1 の周囲には、木製のカードスタンドに大きい進歩カードを立てているプレイヤーが多いのですが、分厚いためそういう遊び方はできなくなると予想されます。さらに、和訳のためにスリーブとカードの間に日本語の紙を挟んでいたのですが、これも分厚いためにできなくなってしまいますね。本当に誰得なんだ。

その一方で四季拡張のボードがついてくるのはとても嬉しいです。遠い昔にプロモーションのためのポストカードとして配布されたものが、こうして製品に取り入れられるのは感慨深いですね。

カード

残念ながら、思ったより増えません。新版として初出のものは赤字の部分だけです:

  • アグリコラ: リバイズドエディション 収録分(96枚)
  • アルティフェクスデッキ 収録分(60枚)
  • ブーブルクスデッキ 収録分(60枚)
  • Xデッキ(24枚)
  • 🌲デッキ(26枚)
  • Lデッキ(20枚)

Xデッキや🌲デッキは旧版のものとほぼ変わらないのではないかと思います。どちらもイベントカード的な立ち位置で、効果はジョーク地味てぶっ飛んだものが多いです。旧版のものの内容が知りたい方は以下のリンクを参照ください:

Lデッキに関しては、[L060] Covert Advertiser と [L070] Barterer 以外は、新版としては初収録のようです*1。また、公式サイトの画像では「LEデッキ」というイベントカードのようなものが確認されるのですが、ルールブックおよび付録には記載がありませんでした。こちらはLデッキ20枚の一部のようです。

サプライ

スリーブなしだと900枚のカードが入るストレージボックスや、コマを入れておくためのトレイが付属します。個人的には興味がないのでさらっと流します。そういえばアグリコラ公式スリーブが発売される話はどこへ行ったんでしょうか。

購入希望者への助言

このエントリが書かれた2022年11月現在、英語版(そしてもちろん日本語版)は発売されていません。Lookout の公式ショップで English にしたときに出てくる「Agricola Collectors Box」は、カードボックスやインレイといったサプライしか含まれないバージョンです。購入ミスにお気をつけください。

また、製品単価が101ユーロ(執筆当時のレートでおよそ14,600円)で、ここにさらに国際送料が加算されるため、1つの購入でも関税課税対象になってしまいそうです。

Lookout の公式ショップで購入したい方は以下のリンクからどうぞ:

lookout-shop.de

余談ですが、Lookout Online Shop もついに免税処理に対応しましたね。昔は日本から頼んでもドイツの付加価値税を支払わなければならないシステムだったのですが、今回はVAT分がしっかり引かれていました。

感想

正直、高い送料と関税をかけてまで買わなくても良い、という感触です。いわゆる全拡張プレイヤーも、ゲームバランスを損ねるXデッキや🌲デッキを入れて遊ぶ機会はあまりありません。カードゲームと揶揄されるアグリコラなのに、この拡張のために日本円で2万円ほど支払って追加されるカードがあまりにも少ないです。せめて、再販されず高騰している5-6人拡張だけでも入れてくれれば違ったのに、と思います。

四季拡張再録や、拡張用のスペシャトークンなど、魅力ある要素もいくつかありますので、欲しい方は上の「購入希望者への助言」を読んでゲットしてみてください。

日本語訳情報は当ブログおよび Agricola DB などで公開していけたらと思っています。ぜひご確認ください。

db.buratsuki.page